付 | 附
附
「つく・つける」(物理的・關係的に附着する)
付
「わたす・あたへる」(授受・附與)
「附」と「付」の違いについて -題名の通りですが、「付」と「附」の違- 日本語 | 教えて!goo
付
一笑に付する。この場合は"附"は使用しません。
付出(金錢又は代價を支出する、費やすの意)。
付定(手付金を渡すの意)。
付方(貸し方の意)。
付費(費用を支払うの意)。
付記(付け足して記す)。
付會(無理につなぎ合わせること、こじつけの意)
付利(利息を支拂ふの意)。
付箋(貼り紙、memo 書きの意)。
付託(委託するの意)。
付與(渡す、與へる、給與するの意)。
附
公文書で使はれる
附屬(歸屬する)。
寄附
附則
附帶(附隨する、附帶する)。
附置
附報(新聞の附錄)。
附本(資本金を出資する)。
附筆(手紙や文書の末尾に補筆する)。
附表
附睾(副睾丸)。
附和(他人の意見に合わせること、追從迎合すること)。
附記(手紙などの追伸)。
附加(附け加へる)。
附近(近所)。
附錄(附け加へて書き入れる)。
附設(附設する)。
附圖(附け加はった圖)。
附小(附屬小學校の略)。
附言(あとがき、後記)。
附議(他人の提案に贊成し共同提案者となる)。
附註
附着(粘着する)。
附坐(補助席)。
附子(草類のトリカブト)。
附隨
交附
Claude Sonnet 4.6
正字・歷史的假名遣ひの體系における「付」「附」——和語の用法
一、前提:兩字の字源的差異
この問題の核心は字義にあります。
「付」の字源は会意字であり、「人」と「叉(手に物を持つ形、寸はその変形)」とから成り、手で物を持って人に与へる意を表す。すなはち「付」の原義は「手渡す・授ける」です。
一方、「附」はつける・くっつける・したがふ・つき従ふなどの意を持ち、部首は阜部(こざとへん)に属します。阜部はもと「丘・段丘」の象形で、物が高く積み重なり寄り添ふ形を含意します。つまり「附」の原義は「くっつく・そひつく」です。
この字義の截然たる差が、以下の和語用法の全てを規定します。
二、字義に基づく和語訓讀の原則
正字の體系においては、訓讀「つく・つける」は意味內容によつて書き分けるのが原則です。
[一]「附く・附ける」を用ゐるべき場合
「くっつく・そひつく・寄り添ふ・從ふ」という意を持つ和語には「附」が本字です。
「附」は「つく・つける・くっつく」の意であり、コメントを附す、索引を附す、驥尾に附すの類がこれにあたります。
具體的な意味域を整理すれば——
物理的接着:紙が壁に附く/泥が袖に附く
添附・附隨:序文を附ける/附録を附ける/印を附ける
人に從ふ:師に附き從ふ/行列に附く
漢文訓讀的述語:索引を附す/注を附す/驥尾に附す
これらはすべて「附」の原義「くっつく・添ふ」に直接對應します。
[二]「付く・付ける」を用ゐるべき場合
「手渡す・授ける・委ねる・一定の處遇をする」という意の和語には「付」が本字です。
「付」は「手渡す・委ねる・一定の處遇をする」の意であり、一笑に付す・不問に付す・審判に付す・丙丁(へいてい)に付すの類がこれにあたります。
委任・付託:一笑に付す/不問に付す/審判に付す
付梓(出版):梓に付す(版木に委ねる)
なほ「付梓(ふし)」は「版木に委ねて印刷する」すなはち出版の意であり、これは「授ける・委ねる」の意から「付」を用ゐる典型です。
三、實際の用法における混淆の問題
「付」は古くから「附」の代用字として使はれ、過去は付を「与える・委ねる」、附を「くっつける・添える」と使ひ分けてゐたが、混同されることもあつた。
この混淆は歷史的に早期から存在しましたが、正字の體系を守る立場では、字義に從つた使ひ分けこそが規範です。廣辭苑などの國語辭典が「驥尾に附す」であるべきものの「附」の字を「付」に改めたことは許し難く、せめて括弧に入れてでも原文の字を殘すべきであつたとの批判もあり、正字を重んじる立場からは原字の保持が强く求められます。
四、體系的まとめ——意味による使ひ分け表
table:_
意味の類型 正字 例
くっつく・そひつく(物理的接着) 附 泥が袖に附く、紙を壁に附ける
添ふ・添附する(添加) 附 注釋を附す、序を附ける、印を附ける
從ふ・つき従ふ 附 師に附き從ふ、驥尾に附す
付記・付記する(文語的添附) 附 索引を附す、コメントを附す
委ねる・任せる・付託する 付 審判に付す、不問に付す
一笑に付すなど(軽んじる・流す) 付 一笑に付す、丙丁に付す
出版に付す(梓に) 付 梓に付す(付梓)
五、「附す」の文語的性格について
正字・歷史的假名遣ひの文章においては、「附す」(サ行変格活用・文語)と「附ける」(下一段活用・口語)の文體的使ひ分けもあはせて意識する必要があります。
「索引を附す」「注を附す」のやうな表現は文語・漢文訓讀の傳統を持ち、「付」は「附」の代用字として用ゐられることがあり、本義は物を手渡すことにあるが、古くから「附」と通用してゐたといふ事實は、かへつて正字の體系においては両字を嚴格に分けることの正當性を示してゐます——通用してゐたからこそ、字義に照らして書き分ける必要があるわけです。
六、結論
正字・歷史的假名遣ひの體系における和語の「つく・つける」は、決して「付」一字に統一されるものではなく、字義に從つて次のやうに截然と書き分けるのが正則です。
「附」=くっつく・添ふ・從ふ(物と物、人と人の密着・附隨)
「付」=授ける・委ねる・付託する(物の授受・處遇の委任)
戰後の當用漢字政策が「附」を整理しようとし、「付」への一元化が進んだことは、字義體系の上では一種の混同・退行に他なりません。正字を用ゐる文章においては、この原義の區別を回復することが、漢字の用法として最も正確な態度です。